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釣り場を回りながら、往年の名作ルアーを今のエリアバス(管理釣り場のバス釣り)で実際に使ってみるシリーズです。
記念すべき1回目は、ヘドン ザラスプーク。ウォーキング・ザ・ドッグ(いわゆるドッグウォーク)という釣り方そのものを生み出した、トップウォーターの原点みたいなルアーです。
先に結論だけ言っておくと、4か所投げて釣れたのは1か所だけでした。ただ、この記事で本当に書きたいのはそこではなく「なぜその1か所だけだったのか」のほうです。
ただのルアー紹介ページはごまんとありますのでね。
この記事は釣行を重ねるたびに追記していきます。最新の更新内容はページ下部の更新履歴をご覧ください。

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ヘドン ザラスプークとは
まずは歴史を簡単に。
原点は1920年前後の木製ルアー「ザラゴッサ」
ザラスプークのルーツは、1920年前後にヘドンが作っていた木製ルアー「ザラゴッサ(Zaragossa)No.6500」にさかのぼります。もともとはフロリダのバス釣りのために生まれたルアーでした。
この名前、由来がなかなか強烈です。諸説ありますが、よく知られているのはフロリダ州ペンサコーラの「ザラゴッサ通り」——当時の歓楽街——から採ったという説。ルアーが水面を左右に振れながら進む動きを、その通りで働く女性の歩き方に例えた、というものです。
ちなみにこの通りの綴りは、現在では「Zaragoza」が一般的ですが、当時は「Zaragossa」など複数の表記が使われていました。ルアー名にはそのうち「Zaragossa」が採用され、そのまま定着しています。
1939年、プラスチックになって「スプーク」に
そして1939年、ザラゴッサの基本コンセプトを受け継ぎ、プラスチックボディで登場したのがザラスプークです。
「スプーク(Spook=幽霊)」というのは、当時ヘドンがプラスチック製ルアーに付けていた呼び名でした。半透明のボディに光が透けると幽霊のように見えたから、とされています。木のルアーとプラスチックのルアーを名前で区別していたわけですね。
つまりこのルアー、誕生から数えると100年以上、プラスチック版になってからでも85年以上作られ続けていることになります。その間に無数のフォロワーが生まれましたが、いまだに現行品として普通に売られている。それだけで異常なロングセラーです。
いま売られているのは3代目
作られ続けている間に、ザラスプークは何度か作り替えられています。ざっくり1st・2nd・3rdと呼ばれていて、今の現行品は3代目。個体によってボディが反ることから「ソリザラ」と呼ばれたりもします。
一番わかりやすい見分け方はラインを結ぶアイの位置です。初代は鼻先に付いていましたが、3代目では口元に移っています。家に古いザラが眠っている人は、そこを見てみると世代がわかります。
ちなみに日本との関係も深い
ヘドンは1983〜84年ごろにプラドコの傘下に入りますが、その1984年、日本のスミスが、当時の日本のバス釣りに合うサイズとして「ザラゴッサJr.」を別注しています。日本国内だけで売られたこのモデルは、後に海外のコレクターからも人気の希少品になり、2006年と2016年に復刻されました。
名作の日本版が逆輸入的に評価される、というのはなかなか面白い話です。
スペック(オリジナルザラスプーク)
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 全長 | 4-1/2インチ(約11.4cm) |
| 重量(メーカー表記) | 3/4oz(約21g) |
| 重量(実測) | 18.86g |
| タイプ | フローティング(ペンシルベイト) |
| フック | #1/0 |
| 今回使用カラー | BON(ボーン) |
重量について補足を。じつはこのルアー、本国と日本で表記が食い違っています。ヘドン本国は3/4oz、グラムに直すと約21gです。ところが日本の代理店ページには「3/4oz(13.0g)」とあり、同じ行の中で数字が合っていません。
気になったので量ってみたら18.86gでした。本国表記のほうが実物に近いという結果です。3/4ozより2gほど軽いですが、公称値ならこのくらいの差は普通でしょう。対して13.0gは実物と6g違うので、さすがに合っていません。
今回使っているのはオリジナルサイズの現行品です。オールドではなく、量販店で普通に買えるものを購入して使っています。カラーは定番のボーン。

投げ方と使っているタックル
ちなみにこれはガチガチの検証企画ではありません。条件を揃えて比較実験をしているわけでもないし、タックルを固定する気もありません。そのとき持っているもので普通に釣りをして、その記録を残していくだけです。
そのほうがルアーの素性が良くわかると思いますしね。
ただ、使い方については毎回だいたい同じなので、参考までに書いておきます。
投げ方
緩急は付けますが、あまり止めずにサクサクとドッグウォークさせ続ける使い方をしています。一瞬だけ入る「間」は緩急の範囲としてありますが、1秒以上のポーズはほぼ入れません。
これは考え方の問題で、止めて食わせたいならポッパーを使えばいいと思っているからです。ペンシルはペンシルの仕事をさせる、という感じです。
今回のタックル
釣れた釣行で使っていたのはこれです。
毎回これで通すというわけではありません。
| 項目 | 使用タックル |
|---|---|
| ロッド | ダイワ ブレイゾン C66M |
| リール | ダイワ タトゥーラTW |
| ライン | フロロカーボン 20lb |
ラインがフロロ20lbなことについて
トップウォーターに詳しい人ほど、ここで引っかかると思います。
一般的には、トップウォーターには浮くナイロンかPEが向いていて、沈むフロロカーボンはルアーの動きを妨げると言われます。これは把握したうえで使っています。
それでもフロロで通しているのは、自分の使い方ならほとんど影響しないと考えているからです。
あといちいち変えるのめんどくせぇからです。
前述の通り、自分は止めずに動かし続けます。ラインが沈んでルアーを引っ張るより先に、次のアクションが入る。つまり、ラインに沈む時間を与えていないわけです。長いポーズを多用する人ならフロロの比重は効いてくるはずですが、自分のリズムでは理屈として問題にならない——というのが持論です。
ちなみにこれは邪道というわけでもないようで、フロロの比重を積極的に利用する使い方を語る作り手もいます。ポーズ時に頭を水面へ叩きつけて音を出す、一瞬ダイブさせて水中のバスにボディを見せる、といった使い方です。
とはいえ、ナイロンやPEのほうが基本的に使いやすいと思います。
実際にナイロンでも投げてみた
その後、4釣行目のあずさフィッシングでナイロン16lbに変えて投げてきました。
感想としては、多少は動かしやすくなったと思います。ただ、「これはナイロンのほうがいい!」となるほど劇的な差ではありませんでした。少なくとも、ことザラスプークに関してはという話です。
この日はノーバイトだったので釣果での比較はできていませんが、操作感に関して言えば、持論はそこまで外していなかったと思っています。
実釣ログ
釣行するたびに、この表に1行ずつ追加していきます。
| 釣行日 | 釣り場 | 時間帯 | 気温・状況 | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 2026/7/18 | 釣パラダイス | 夕方 | トップウォーターミーティング開催中(参加者約30名) | ノーバイト |
| 2026/7 第4週 | TSURIBORI水戸南 | 朝イチ/池1周 | 朝から気温30℃超 | 1バイト・0フィッシュ |
| 2026/7 第5週 | フィッシング・パル佐野 | 朝イチ/池1周 | 朝の気温25℃前後・水面にアオコ | 2バイト・1フィッシュ |
| 2026/8 第1週 | あずさフィッシング | 朝イチ/池1周 | 朝の気温23℃台・表層水温24℃・アオコなし・放流日前日/ナイロン16lb | ノーバイト |
※水温は4釣行目から計測しています。最初の3回は気温での比較になってしまいました。今後は毎回計ります。
各釣り場でのくわしい状況
① 釣パラダイス
最初に投げたのは、釣パラダイスで開催されたトップウォーターミーティング。夕方からのイベントでした。
結果はノーバイト。ただしこの日は状況がかなり特殊でした。
イベント名からお察しの通り、参加者30人が全員トップウォーターを投げている状況です。水面にかかっているプレッシャーが尋常ではありません。ザラスプークが効かなかったというより、その日その時間の水面が、そもそもトップで食う状態ではなかった可能性が高いと思っています。
なので、この日の結果を「ザラスプークがダメだった」と読むのは違うはずです。ルアーの話としてはほぼ参考外だと思っています。

② TSURIBORI水戸南(7月第4週)
次はTSURIBORI水戸南。朝イチから池を1周するという形で投げました。
この日は朝の時点ですでに気温30℃超。結果は1バイトのみで、フッキングには至りませんでした。
ただ、感触としては悪くありませんでした。「出そうな雰囲気」はあったんです。反応が皆無というわけではなく、水面を意識している魚はいる感じでした。
ではなぜ続かなかったのか。素直に受け取るなら、朝から暑すぎて魚に元気がなかったという印象です。追い切れない、口を使い切れない、という感じ。
▼実際の釣りの様子はこちらの動画から▼
③ フィッシング・パル佐野(7月第5週)
そして唯一釣れたのがフィッシング・パル佐野。こちらも朝イチから池1周という同じ条件です。
結果は2バイト1フィッシュ。4か所の中で明確に一番反応が良い日でした。
この日の朝の気温は25℃くらい。水戸南の日と比べると「だいぶマシだよな」という体感でした。5℃違うだけで、朝の釣り場の空気が全然違います。
そしてもうひとつ、他と違った点がありました。水面にアオコが出ていたことです。
全面を覆うほどではありませんが、ルアーが通ったあとがはっきり残る程度には出ていました。


▼動画本編はこちら▼
④ あずさフィッシング(8月第1週)
4か所目はあずさフィッシング。ここも朝イチから池1周という同じ入り方です。
そしてこの日から水温を計り始めました。表層で24℃。朝の最低気温は23℃台(近隣アメダスの記録)で、日中は33〜34℃まで上がる日でした。アオコは出ていません。
ラインもナイロン16lbに変えて投げています。
結果はノーバイト。何も起きませんでした。
ちなみにこの日は放流日の前日。さすがに厳しそうな雰囲気ではありました。可能性があるとすれば朝イチかな、と思って入ったのですが、特に何も起きずに終わっています。
▼動画本編はこちら▼
なぜパル佐野でしか釣れなかったのか【考察】
ここからは考察です。ただ、思いつきを並べても仕方ないので、言えることと言えないことを分けて書きます。裏が取れなかったものは「取れなかった」と書きます。
水温:高すぎると分が悪い。ただし、それだけではない
最初に目を付けたのは水温でした。水戸南が朝から30℃超、パル佐野が25℃前後。この差が出たんじゃないか、と。
調べてみると、それらしい裏付けは出てきます。ラージマウスバスの摂餌は水温27℃くらいまでは高い率で維持され、そこを超えると低下するとされています。実験でも野外でも確認されていて、高水温下では成魚が日陰でじっとしていて胃が空だったという観察まで報告があります。適水温はおおむね20〜26℃、30℃を超えると水温の低い場所へ移動するとも言われます。
ここまでは、水戸南の「出そうな雰囲気はあるのに出切らない」という感触ともよく合います。
ところが、4回目のあずさフィッシングでこの話は崩れます。
表層水温24℃。適水温のど真ん中で、27℃の境界も大きく下回っています。それでノーバイトでした。
つまり「水温が高すぎると分が悪い」までは言えても、「水温さえ下がれば釣れる」とは言えないということです。水温は条件のひとつではあっても、それだけでは足りません。
アオコ:違いではあったが意味づけはしない
パル佐野だけにあった条件が、水面のアオコでした。釣っている最中は「他との決定的な違いはこれかな」と思っていました。
ところが記事にするにあたって調べてみたら、アオコがプラスに働いたと言える材料が見つかりませんでした。むしろ逆の話のほうが出てきます。
- 濁りはバスが餌に気づく距離を大きく縮める。スモールマウスの実験では、クリアで65cmだった反応距離が、濁りの強い条件では10cmまで落ちている
- ラージマウスも、濁ると餌に反応する確率そのものが下がる。視覚より側線に頼った待ち伏せ型に切り替わるとされる
- アオコは日中こそ光合成で酸素を出すが、夜間は呼吸で酸素を使う。夜から朝方にかけては酸欠になりやすい時間帯にあたる
つまり理屈の上では、「アオコが出ている池の朝イチ」はむしろ不利な条件ということになります。それでも釣れているので、辻褄が合いません。
逆にあずさはアオコなしでノーバイトだったので、「アオコがあるかないか」で説明がつく話でもなさそうです。
なので現時点では、アオコは記録として残すだけにして、意味づけはしません。正直なところ、釣っている最中にここまでややこしいことを考えているわけでもないですし、無理に説明をつけたところで外すだけだと思っています。
ちなみにカラーについても何も言えません。ボーンしか投げていないというのもありますが、そもそも自分はカラーをそこまで気にするタイプではないので。別のカラーも一応持ってはいるので、気が向いたら投げます。
釣パラダイスの日は、条件が特殊すぎる
釣パラダイスの日は前述の通り、参加者30人が全員トップを投げているという極端な状況でした。ここは仮説というより、ほぼ確定要因として切り分けて良いと思います。
あずさフィッシングは、言い訳が効かない
その釣パラダイスと違って、あずさは条件のせいにできる材料がほとんど残っていません。
- 表層水温24℃。適水温のど真ん中
- アオコなし
- 朝イチ・池1周。水戸南、パル佐野と同じ入り方
- そもそもあずさはトップが効きにくい釣り場ではない。これは今までの経験でわかっています
強いて挙げるなら放流日の前日だったことですが、これを理由にして片付けるのはやめておきます。釣れなかった日を毎回「特別な事情があった」で処理していたら、この記事は何も言っていないのと同じになるので。
現時点での結論:まだ切り分けられていない
正直に書きます。4か所投げて、答えは出ていません。
3釣行目までは「朝の水温がすべてでは」と思っていました。それが4釣行目で崩れています。データが増えて、むしろ分からなくなったというのが現状です。
この記事は釣行を重ねて育てる形なので、今の段階で結論が出ていないのは、それはそれで正しい状態だと思っています。無理にまとめたところで、次の1回で崩れるだけです。
現時点でのザラスプーク評価
まだ4釣行なので暫定ですが、今の時点で言えることを書いておきます。
- 止めずに動かし続ける使い方でもバイトは出る。長いポーズを入れないと食わない、ということはなかった
- 高すぎる水温は分が悪そう。ただし、水温が下がれば釣れるというわけでもない
- ラインはナイロンのほうが多少動かしやすい。ただし劇的な差ではない(ことザラスプークに関しては)
- 1939年生まれという事実を抜きにしても、普通に使えるルアー。懐古で持っているだけのアイテムではない
次に確かめたいこと
このシリーズは釣行を重ねて記事を育てていく形なので、次に確かめたいことを書き出しておきます。
- 水温を計り続ける。1回計っただけでは何も言えないので、まずは数を貯める
- パル佐野で釣れた朝と、近い条件をもう一度引く。同じことが起きるのか確かめたい
- 放流直後に投げる。今回は放流日の前日だったので、逆の状況も見ておきたい
- 秋・春に投げる。まだ夏しか投げていないので
今も買えるのか?
買えます。というか、普通に量販店の棚に並んでいます。今回使っている個体も、最近量販店で購入した現行品です。
1939年に生まれたルアーが、復刻でも限定品でもなくただの通常商品として今日も売られている。これがどれだけ異常なことか、という話でもあります。
オールドのザラスプークはコレクター市場で値が付きますが、釣るために使うなら現行品で十分です。むしろ気兼ねなく投げられる分いいと思います。
ただ、ボーンカラーは人気色らしく入手に難儀しました。実店舗を4~5店舗回ってなんとか1つ入手できたっていう感じです。地域によると思いますが。
